個人漁師について。

 

皆さんは個人漁師についてどういう印象をお持ちでしょうか。

サタケの場合は実際にこの世界に飛び込んでみるまで

「大自然を相手に自分のペースで働ける職業。」という認識をしていました。

 

・・・

 

間違いではない。

間違いではなかったんだけれど、思った以上に漁師の世界っていうのは

競争の世界だったというのが今のサタケの印象。

 

誰かがある場所で大漁にあたったら

翌日にはみんなその場所で漁をしている。

 

誰かがある漁種で大漁にあたったら

翌日にはその漁種に従事している人が増えている。

 

誰かがある漁種を他地方から持ってきて、それで儲けを出すようになったら

翌年にはその漁種に従事している人が増えている。

 

誰だって儲けたいから、儲ける人のマネをする。

そうしてみんな同じ事をするから場所の取り合いになって

漁をする場所がなくなる。

特定の魚の取り合いになって・・・

いわゆる「損の分け取り」に発展するワケだ。

 

・・・

 

お師匠をはじめとしたベテラン漁師達は、十年以上にもわたる漁師としての

経験に加え、上画像のような魚探をはじめとした様々な電子機器を用いて

魚を探し、毎日漁を行っている。

 

今はお師匠にくっついて、のほほんと漁に従事しているサタケも

今から1年と8カ月後には独立し、お師匠をはじめとした経験と装備が備わった

ベテラン漁師達を相手にしのぎを削らなくちゃいけなくなってくる。

 

果たして先述したような勝負の世界で生き残る事ができるだろうか。

ヒラのサラリーマンとは違って、「必ず」結果を出さなければ、

お金は入ってこない。

 

絶対無理。

 

今、お師匠にくっついているおかげで、様々な漁のやり方や、

漁場について教えてはもらっているが、このままじゃあ絶対に無理だ。

ある程度は稼げる、自分が不自由なく暮らす程度には稼げるだろうが、

それも、きっと「成功」と呼べる水準には満たないであろう。

お師匠をはじめ、他の人がやっている事をただマネしてみても

経験値で負けている以上、よほどの才能や努力がないと追いつけるワケがない。

ましてや追い抜いて「成功」できるワケがない。

 

だが、それでもサタケは「成功」したい。

必要以上に平べったい車に乗ったり、年の半分以上を休んで

日本の山々を登り歩いたりしたい。

 

ではどうしたら良いか。

枠を飛び出すような、理外の発想が必要なのだ。

誰もやっていない事をやりはじめるしかないのだ。

 

これまでも何度か書いているように、魚の通信販売はもちろんひとつの手段。

だが、それも自分の漁獲量がデマンドを満たせなければ何にもならない。

(他漁師から買った魚を横流しするって手もあるけれど。)

ある程度は自分で獲れるようになれないと。

 

しかも、理想としては他漁師との競争に巻き込まれないカタチで。

他漁師の追随を許さないレベルで。

マネできない手法で。

あくまで「枠」の外で。

 

最近、ひそかにこのテーマについてばかり考え続けていたおかげ・・・

というか結果として、

サタケの思想はとうとう海外の漁労器具、そしてそれを使った漁

という魔境にまで到達してしまった。

(あくまで日本の法律に収まるカタチで。)

 

誰にも先を超されたくないのでまだ詳しくは言えないけれど、

試してみたくてたまらない。

だけど、実際に試せるのが今から1年と8カ月も先だと思うと

発狂してしまいそうになる。

 

ああ、はやく。

まだ何も持っていないけれど。

いや、持っていないからこそ、

はやく、自分も勝負の世界に立ちたい。

 

気持ちばかりが焦って仕方のない今日のこのごろ。