さあ、いよいよ桟橋を設置するぞ。

だが、港に空いている場所はもう外れの外れしかない。

設置したくても、このままじゃあ丸環やビットなどの

備え付けの金具が足りなくて設置できないな。

 

(↑ビット。肩ジャケットハードボイルドが片足のっけて黄昏れるやつ。)

 

なので新しく金具を設置する必要があるけれど

場所が場所、外れの外れすぎて何をするにも電源が無え!

 

なので―

最寄りの50m先の港の街灯を強制点灯させ、(照度センサー回路しか来ていない。)

その回路からAC100Vの電気を取る盗る?事で

つーかなんで電灯にウォルボックスまで付けて中にコンセント仕込んでないんだよ!

公共工事じゃあないのか!

 

うおおおおっ!

あけるぜ!堤防に穴を!

 

舞う粉塵

風に舞え粉塵。

 

いや~ 堤防のコンクリートって硬い。

それなりのハンマードリルを使ったのに、

深さ30cmの穴をあけるのに1時間以上もかかってしまった。

骨材が違うのかな。

建物のそれとは異なる硬さだった。

 

電気だったり穴あけだったり

前職の経験をフルに活かしていく。

 

ケミカルアンカー

よーし。

穴があいたので次はケミカルアンカーだ。

 

AにBの薬品を混ぜる事で超強力な接着剤になるという逸品だ。

相手が相手、ものがものなので通常のアンカーでは事足りない。

それでケミカルアンカーなのだ。

ちなみに商品名の「マイティエポ」の後ろについている(S)はSummerの略、

つまり夏用を意味している。

冬用とは固まる時間が違うという事だ。

11月に買ったのに夏用を押し付けられた

 

まあなんだ。

 

Φ28mmの穴にケミカルアンカーを流し込み

Φ26mmの丸環をぶち込むのだ。

(この辺は使うアンカーで変わってくる。)

 

*おおっと*

 

ケミカルアンカー打ち過ぎて、丸環ぶち込んだら溢れてきてしまった。

 

離島の、港の外れの外れだ。

 

誰かがこれを踏んでそのまま固まる。

なんて事はないと思うが・・・

 

一応、「危険、触るな」って堤防にチョークで目立つように書いておこう。

 

1日経って丸環が固まったので

その辺をウロチョロしていたイワシ網の親方衆と同僚に頼み込んで

桟橋を設置するのを手伝ってもらう。

というか設置してもらう。

 

どうやってロープを取って、どうやって、どの方向に錨を打つのか。

ある程度は他の人の桟橋を観察することで分かってはいたが、

下手な事をして全ての努力を無に帰すのが怖かったのだ。

 

潮が引いたタイミングで桟橋を海側に出し、

潮が満ちたタイミングで桟橋をボートで沖に引き出してもらった。

 

自分で設計して、自分で主な材料を用意して、

色々な人から手助けしてもらいながらも自分でそれを組み立てて。

 

ちゃんと浮いてくれてよかった。

ひょっとしたら浮かないんじゃあないかと不安だった。

 

ちなみに桟橋の上にあるロープ類は

もともとイワシ網で使用していたイワとアバの成れの果てだ。

 

これだけでも結構な値打ちもんなのに、

親方衆が処分がてらにこれを譲ってくれた。

 

この桟橋はイワシ網成分が含まれています。

 

桟橋から堤防にロープを4か所取り、

錨は堤防の反対側に向けてX字に打ってもらった。

 

そしてついに桟橋設置完了だ!

浮島で最初の、自分だけの領土だ!

 

これでやっと、船を停める場所に困らなくてすむ。

 

いやー、 しかし大変だった。

 

20日くらいでできるかな?

と思ったら丸1ヵ月もかかってしまった。

 

他にも色々と甘かったなー。

木で作るより簡単かなと思って

合い目(渡し板)を単管パイプ作ったんだけれど

しなって直角でないし、工夫を凝らしても結局繋ぎ手で屈折するしで

逆に手間がかかってしまった。

 

何年後かに作り直す時は一本もの橋を鉄工所で作ってもらうか、ちゃんと8mものの木から作ろう。

桟橋自体を作ってて思ったけれど、この程度の木工っなら重いだけで単管を組むよりも単純だった。

 

うん。

色々と勉強になったな。

この経験を活かしていこう。