イワシ網漁はじまる

6月に入って集団で操業する大規模な漁― イワシ網漁が始まった。

ご存じ、浮島に暮らす人々の生活を支える大事な大事な産業である。

 

「完全独立」が漁師になるうえでの目標のひとつだった自分としては

これに参加するのはちょっと・・・

というか、かなり自分の意に反する・・・

というか、ぶっちゃけ、

大文字赤字にするくらいなんだけれども。

 

いかんせんこのご時世、浮島のイワシ網漁は島の内外から

助っ人を呼んでやっと成り立つレベルで万年人数不足。

 

いかにこの奇人変人と言われる佐竹でも・・・

「はい。研修終わりましたよ。さようなら!」

という薄情な人間にはなりきれず。(いや、薄情なんだけれども。)

 

「見て見ぬふりはできんよなァ!」

 

というノリで、御礼奉公(お給料は出る)のつもりでこの1、2年はイワシ網漁に参加する事にした。

でも、あくまで1、2,年。

それ以降は完全独立すると公言しているので

船長に昇格する云々の話があったけれどそれは固辞したった。

 

で、だ。

 

完全独立計画を進めるにあたり。

 

ついに手に入れたぞ

 

ついに手に入れたぞ・・・!

 

流し刺し網漁、通称「ナガセ」の許可証。

(名義変更がまだ終わっていないのでところどころ伏せてあります。)

「乱獲」の要素がある漁なので、通常の漁業権だけでは操業できない、

上の写真のように、別途許可証が必要になる禁断の漁だ。

もう新しく発行される事はなく、

手に入れるには持っている漁師から許可証を買う必要があるという

ニューフィッシャーブチギレ案件の漁。

「誰が許可証の売買なんてふざけた事を許可してんだ!買うかそんなもん!」とか

思っていたのだけれど。

 

5月の惨状を受けて、

完全独立した漁師が冬までに辿る惨状が垣間見えたので手に入れる事にした。

(ハッキリ言う。この界隈において、夏季、ナガセを持っていないというのは無職と同義である。)

 

初期投資費用は結構かかる。

 

まず、この許可証だけで30万円。

網が1反につき12万円。(まともにやるならこれが6反から10反必要。=72万円~120万円)

1人で操業するためのネットローラーが中古で30~50万円程度。(新品だと500程度するとか。)

これを改造して実際に使えるようにするのに追加で30万円。

まあ、言い出したらキリがないんだけれど

すご~く安く済んだとして、最低でも初期投資費用に160万円必要になる計算だ。

 

まあ、金銭面よりもネックになりそうなのはネットローラーが手に入るかどうかかな。

新品で買うのは現実的にありえない。かといって中古品も滅多に出回るものでもなし。

これをどれだけ早く入手できるかでいつ頃から始められるというのが決まりそう。

 

まあ、なんだ。猶予はある。

ボチボチ探すとしよう。