今日は土曜日。

島の掟で漁はお休み。

なのでー

そんな日は港でお金にならない仕事 = 次の漁の準備をするのです。

 

休みたい気持ちはサタケじゃなくともお師匠にもきっとある。

けれど、これができなきゃあ一流の漁師にはなれないんだろうね。

お師匠は人並み以上に働いて、それに比例した結果も出しているので

島の誰からも一目置かれています。

 

サタケはまだ研修中の身だけれど、今のうちにお師匠に倣って

こういった思考ルーチンを自分のモノにしていきたい。

そうでなければサタケは一死ぬまで遊んでいそうだ。

 

そんなワケで今日はこの前からフジツボを落としたり

ペンキを塗ったりと整備を続けていたお師匠の船を

本格的に底引き漁ができるようする準備作業のお手伝いをしました。

 

倉庫に眠っていた魚群探知機(主に水深を測るために使用)を

サタケが電気工事の要領で船底のバッテリーに繋いだり。

 

底引き漁のコア装備、ツメを使えるようにしたり。

 

うん。

このツメを使えるようにする手順がスゴかった。

何がスゴかったって、そのDIY感。

 

船に装備されているウインチからワイヤーを伸ばして

お師匠がロープに取り付けた滑車に通して

船の上部から港のフォークリフトで運んできた底引き漁用のツメに接続。

これでウインチを緩めてワイヤーを送ってあげれば

ツメが海底に落ちて底引き漁ができるようになるという仕組み。

 

なんだけれど、ウインチとワイヤーなんて

ステレオタイプな事故がつきものの装備を

自分で整備、装備できちゃうところがスゴい。

 

自分でできる物はなんだって自分でやる。

できない事は勉強してできるようにする。

 

コスト(出費)はできるだけ抑えて利益を追求するってのは

世の中のどの会社でもやっている事だけど。

 

人によってはアーク溶接なんかもするし、モーターいじったり、

エンジンさえもいじれたりする人がいるし。

漁師ってのはそのスケールがちょっと違うかも。

 

この仕事を突き詰めていったら―

なんでも自分でできるすっごく多才な人間になれそう。

 

なんかそんな気がする。