色々な意味で五里霧中。
ひと昔前までは船乗りにとって
霧は嵐と同じくらい危険な意味を持っていたのだそうだけれどー
今は数m先が見えなくても
レーダーとGPSがあれば案外なんとかなったりする。
ついでに相手の船から見えるように灯火の類を焚きまくっておけば、より安全。
感覚的には夜の航海に近しいものがある。
さて。
今日は釣りだ。
今日も釣りだ。
懲りずにヒラメ釣りの練習だ。
この前の刺網の時の伝票、
こんなのが帰ってきたらもう2度と―
少なくとも、何かの間違いで新品の網を入手しない限り
もう2度と刺網なんてする気がおこらない。
にしても、いくら獲られまくっているからって、
旬を過ぎているからって真鯛の1Kgあたりの単価が200円って酷くない?
こんなんなら自分で食べればよかった。
閑話休題。
ヒラメ釣りについて。
詳細はまだ伏せておくが例のスマート漁具のおかげもあって
タナ(水深)はもう完全にとれるようになった。
具体的には海底ギリギリのところにまでに釣り針を持っていけるようになっている。
が、それでもヒラメは釣れない。
何故なのか。
以前も書いたが考えられる原因は
①船足が速すぎる。もしくは遅すぎる。
②仕掛けが間違っている。結果、ルアーが餌に見えていない。
③道具を曳いている位置にそもそもヒラメがいない。
のいずれか、もしくはその全てだと思う。
そして、どれも心当たりがある。
①についてはトローリングで
まだ1枚もヒラメを釣りあげた事がないのでよくわかっていないというのが実情だ。
経験がないので自信がない。確信が持てない。
こんな事をする漁師が周りにいないので聞けもしない。
だが、いろいろな文献やネットで調べてみた結果、2-4ノットが適正らしい。
1ノット(時速約1.8km/h)違えば体感はかなり違う。
ヒラメは4ノットものスピードで泳ぐ獲物に食いつけるのだろうか。
底引き網漁では3.4ノット前後の速度で迫る道具に取り込まれちゃうくらいだ。
なんとなく、そんなに速くは泳げない気がする。だとすると2-3ノットが正解な気がする。
②仕掛けが間違っている可能性は多いにある。
というのも、潜航板の後ろに疑似餌を3つ流しているのだが・・・
手持ちの関係で幹糸と枝スを
全てフロロカーボンという類のラインで作っているのがいけない気がする。
「カッター」とも揶揄されるサワラの歯にも耐えるような、
ハリと硬さがある種類のラインなんだけれど
どうもこれが・・・ この特性が潜航板が疑似餌に伝導させる動きを阻害している気がする。
ちょっと普通のナイロンラインを調達してこよう。
③これが一番デカい気がする。
底引き網でヒラメを獲った事がある位置をメインで曳いているのだけれど
そもそもそういったところの地質は泥だ。
ヒラメの特性を調べてみると、砂利の場所だったり、砂地になっているところに生息しているとある。
もしくは急峻な駆け上がりになっているところとか。
泥地のところを曳いても、そもそもの絶対数が少ないのでは・・・ という気がしてきている。
②は町に出て道具を揃えるまでどうしようもないが、
今日は①と③を念頭においてー
色々な速度で、急峻で砂利、もしくは砂地と思われる地形で試行錯誤をしてみた。
結果ー
ぐおおおおお!!
道具が海底に当たって千切れた!
選んだ地形が急峻すぎてタナ合わせが間に合わなかった!
あっぶねー!あっぶねー!
潜航板、浮いてきてくれて良かった!霧が晴れてくれて良かった!
海底に刺さって完全ロストしなくて良かった!
サワラの潜航板(2万円)と違って
このヒラメの潜航板は安いけれど
もう生産が終了している入手困難なアイテムだから
ここでロストしなくて本当に良かった。
次回からは安全水深マージンを引き上げよう。
・・・
ふ~む。
今日も収獲ゼロだ。
厳しいね。
だが、確実に日々の練習も失敗も、
赤字を垂れ流し続ける事も・・・
全部、糧にして来れているのは間違いない。実感がある。
家で寝ているだけよりはるかに良い。
「これでダメならどうする?
ダメだった。じゃあどうする?」
と己に問い続けるのは、厳しくも楽しい。
明日は町の漁具屋に行こう。
ヒラメ道具の研究もそうだが、
もうひとつ、試してみたいトローリングがあるのだ。